2025.4.1

  • ちおこ

「外国人の助けに」
モンゴル出身大槌ちおこ

バトゲレル・アリウンゲレルさん

モンゴル出身。2018年に初来日し、2019年から3年間、技能実習生として埼玉県の介護施設で経験を積んだ後、大槌町に移住。地域おこし協力隊として、大槌町で暮らす外国人技能実習生らのサポートをしながら、特別養護老人ホーム・三陸園で働く。好きな作家は『変な家』で知られるホラー作家の雨穴さん。

2025.4.1

  • ちおこ

「外国人の助けに」
モンゴル出身大槌ちおこ

バトゲレル・アリウンゲレルさん

モンゴル出身。2018年に初来日し、2019年から3年間、技能実習生として埼玉県の介護施設で経験を積んだ後、大槌町に移住。地域おこし協力隊として、大槌町で暮らす外国人技能実習生らのサポートをしながら、特別養護老人ホーム・三陸園で働く。好きな作家は『変な家』で知られるホラー作家の雨穴さん。

さまざまな経歴を持つ個性豊かなメンバーが活躍する大槌町地域おこし協力隊。「ちおこ」の愛称で地域から親しまれている地域おこし協力隊の多様性をさらに拡張しているのが、外国出身のちおこたち。モンゴル出身のバトゲレル・アリウンゲレルさんは、日本人顔負けの流ちょうな日本語と持ち前の好奇心、人懐っこいキャラクターで、大槌の人たちから「アリー」と親しまれ、外国人技能実習生たちからは若き“おかあさん”的な存在として頼りにされています。

初めての日本は苦労の連続
でも「やりがいある仕事」

モンゴルで生まれ育ったアリーさん。初めての来日は2018年ですが、それより前には、ロシアに2年間留学した経験もあり、「一番得意な外国語は英語」という国際派。アジアの国々に興味があったことから、日本語と韓国語を学び、「もっと日本を知りたい」と思うようになったと言います。

当初、日本の学校で語学を学ぶことも考えましたが、埼玉県の介護施設で仕事と日本の暮らしを体験するインターンに参加し、「日本の介護の現場で働こう!」と決意。技能実習生になる道を選びました。

子どものころ、両親は韓国に働きに行っていて祖母に育てられたため、高齢者と話をするのは好きだったというアリーさんですが、モンゴルには高齢者を介護する施設はなく、仕事内容は初めて見聞きすることばかりでした。

さらに、母国で日本語教室に通ってはいたものの、今ほど流暢に読み書きできなかったため、スマートフォンの翻訳アプリで漢字を調べながら、職場の人たちや高齢者とコミュニケーションを取り、介護について学んでいきました。片言の日本語でも、介護を学びたいという向上心を持ったアリーさんに職場の人たちは親切に仕事を教えてくれたと言います。

「介護は大変な仕事だな……」と感じることもありましたが、「お年寄りのお世話をするのはやりがいがある仕事で、自分に合ってるなと思いました」。

仕事よりも苦労したのは、日本での新しい環境になじむこと。故郷モンゴルとはまったく異なる生活環境、家族や友だちがいない孤独感、母国語で相談できる人が身近にいない環境……。この時に自身が大変な苦労をしたことが、大槌で外国人の生活をサポートするという地域おこし協力隊としての使命感につながっている、とアリーさんは言います。
モンゴルで生まれ育ったアリーさん。初めての来日は2018年ですが、それより前には、ロシアに2年間留学した経験もあり、「一番得意な外国語は英語」という国際派。アジアの国々に興味があったことから、日本語と韓国語を学び、「もっと日本を知りたい」と思うようになったと言います。

当初、日本の学校で語学を学ぶことも考えましたが、埼玉県の介護施設で仕事と日本の暮らしを体験するインターンに参加し、「日本の介護の現場で働こう!」と決意。技能実習生になる道を選びました。

子どものころ、両親は韓国に働きに行っていて祖母に育てられたため、高齢者と話をするのは好きだったというアリーさんですが、モンゴルには高齢者を介護する施設はなく、仕事内容は初めて見聞きすることばかりでした。

さらに、母国で日本語教室に通ってはいたものの、今ほど流暢に読み書きできなかったため、スマートフォンの翻訳アプリで漢字を調べながら、職場の人たちや高齢者とコミュニケーションを取り、介護について学んでいきました。片言の日本語でも、介護を学びたいという向上心を持ったアリーさんに職場の人たちは親切に仕事を教えてくれたと言います。

「介護は大変な仕事だな……」と感じることもありましたが、「お年寄りのお世話をするのはやりがいがある仕事で、自分に合ってるなと思いました」。

仕事よりも苦労したのは、日本での新しい環境になじむこと。故郷モンゴルとはまったく異なる生活環境、家族や友だちがいない孤独感、母国語で相談できる人が身近にいない環境……。この時に自身が大変な苦労をしたことが、大槌で外国人の生活をサポートするという地域おこし協力隊としての使命感につながっている、とアリーさんは言います。

初めて見る海に感激! 
実習生に頼られる存在に

お年寄りのケアをする仕事にやりがいを感じつつも、故郷にはなかった都会の人混みや実習生同士でアパートの居室をシェアして暮らす生活に疲れを感じ始めたアリーさん。「もっとのんびりしたところで暮らしながら、介護の仕事を続けたい」と思うように。

モンゴルと日本とを行き来している叔母に相談したところ、紹介されたのがなんと大槌町で特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人・堤福祉会でした。初めて見学に行った時、三陸の海を見て大興奮。「車の中からきれいな海が見えて感激しました。モンゴルには海がないから、子どものころから海にあこがれていたんです」と笑顔で振り返ります。ゆったりした大槌のまちの様子や老人ホームのお年寄りののんびりした暮らしぶりに「いいところだな」と感じ、埼玉の施設での契約期間終了と同時に大槌に移住することを決めました。

ちょうどそのころ、堤福祉会は、大槌町の地域おこし協力隊制度を活用して、外国人技能実習生がスムーズに町での生活になじみ働くためのサポートを始めようとしていたタイミングでした。アリーさんの包容力と日本語の巧さが見込まれ、介護職として経験を積みながら、実習生たちのサポーターとして世話をする役割も任されました。

来日して間もなくホームシックになってしまう実習生の相談に乗ったり、日本語がまだ話せない実習生が体調を崩してしまった時は病院に連れて行き通訳として寄り添ったり。日本語の検定試験が近づくと勉強を教えてあげることも。まだ若いアリーさんですが、同世代や年長の実習生たちの“おかあさん”のような存在として頼りにされています。
お年寄りのケアをする仕事にやりがいを感じつつも、故郷にはなかった都会の人混みや実習生同士でアパートの居室をシェアして暮らす生活に疲れを感じ始めたアリーさん。「もっとのんびりしたところで暮らしながら、介護の仕事を続けたい」と思うように。

モンゴルと日本とを行き来している叔母に相談したところ、紹介されたのがなんと大槌町で特別養護老人ホームなどを運営する社会福祉法人・堤福祉会でした。初めて見学に行った時、三陸の海を見て大興奮。「車の中からきれいな海が見えて感激しました。モンゴルには海がないから、子どものころから海にあこがれていたんです」と笑顔で振り返ります。ゆったりした大槌のまちの様子や老人ホームのお年寄りののんびりした暮らしぶりに「いいところだな」と感じ、埼玉の施設での契約期間終了と同時に大槌に移住することを決めました。

ちょうどそのころ、堤福祉会は、大槌町の地域おこし協力隊制度を活用して、外国人技能実習生がスムーズに町での生活になじみ働くためのサポートを始めようとしていたタイミングでした。アリーさんの包容力と日本語の巧さが見込まれ、介護職として経験を積みながら、実習生たちのサポーターとして世話をする役割も任されました。

来日して間もなくホームシックになってしまう実習生の相談に乗ったり、日本語がまだ話せない実習生が体調を崩してしまった時は病院に連れて行き通訳として寄り添ったり。日本語の検定試験が近づくと勉強を教えてあげることも。まだ若いアリーさんですが、同世代や年長の実習生たちの“おかあさん”のような存在として頼りにされています。

船や狩猟で大槌を満喫
「みんなで楽しみたい」

大槌に暮らし始めたのは2022年。今では、大槌に来る外国人実習生を迎え入れる側になったアリーさんですが、自身も好奇心の赴くままに大槌の暮らしを満喫中。「職場の人にお願いしてわかめ漁の船に乗せてもらったり、猟師さんには鹿を獲る猟にも連れて行ってもらったり。今は日本の狩猟免許を取ろうと思っているんですよ」と笑うアリーさんは「大槌町は山にも海にも行けて楽しい。大槌に来たばかりの実習生にも楽しさを伝えて、一緒に体験したいです」と語ります。

さまざまな地域行事に顔を出す中でも一番のお気に入りはサーモンまつり。地区の運動会に参加したり、吉里吉里小学校の授業に招かれ、『スーホの白い馬』の物語に出てくるモンゴルの楽器・馬頭琴(ばとうきん)などを子どもたちに紹介しました。

日々を楽しみながらも「何でも学びたい」と向上心も持ち続けているアリーさん。現在は、難関のビジネス日本語の検定に向けて勉強中で、気分転換に日本の小説を読むのが趣味です。休みの日にはモンゴルの家族や友達とのビデオ通話も楽しみのひとつです。

「せっかく日本に来てくれた外国人実習生にはがんばってほしい。自分が初めて日本に来た時のような大変な思いをせずにみんながんばれるよう、助けになりたいと思っています」
大槌に暮らし始めたのは2022年。今では、大槌に来る外国人実習生を迎え入れる側になったアリーさんですが、自身も好奇心の赴くままに大槌の暮らしを満喫中。「職場の人にお願いしてわかめ漁の船に乗せてもらったり、猟師さんには鹿を獲る猟にも連れて行ってもらったり。今は日本の狩猟免許を取ろうと思っているんですよ」と笑うアリーさんは「大槌町は山にも海にも行けて楽しい。大槌に来たばかりの実習生にも楽しさを伝えて、一緒に体験したいです」と語ります。

さまざまな地域行事に顔を出す中でも一番のお気に入りはサーモンまつり。地区の運動会に参加したり、吉里吉里小学校の授業に招かれ、『スーホの白い馬』の物語に出てくるモンゴルの楽器・馬頭琴(ばとうきん)などを子どもたちに紹介しました。

日々を楽しみながらも「何でも学びたい」と向上心も持ち続けているアリーさん。現在は、難関のビジネス日本語の検定に向けて勉強中で、気分転換に日本の小説を読むのが趣味です。休みの日にはモンゴルの家族や友達とのビデオ通話も楽しみのひとつです。

「せっかく日本に来てくれた外国人実習生にはがんばってほしい。自分が初めて日本に来た時のような大変な思いをせずにみんながんばれるよう、助けになりたいと思っています」

取材、記事:手塚さや香

写真:石川貴子

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